生活保護の葬祭扶助について
生活保護者には葬祭扶助というものがあります。
生活保護者が亡くなってしまった場合は福祉事務所に連絡し葬祭でかかる最低限の費用をもらう事ができます。
しかし運搬、埋葬など最低限度の費用で葬儀は出来ない、不足分だけを自分で払うなどはできない等条件はあります。
生活保護法によると
18条
葬祭扶助は、困窮のため最低限度の生活を維持することのできない者に対して、下記に掲げる事項の範囲内において行われる。
1.検案
2.死体の運搬
3.火葬又は埋葬
4.納骨その他葬祭のために必要なもの2 下記に掲げる場合において、その葬祭を行う者があるときは、その者に対して、前項各号の葬祭扶助を行うことができる。
1.被保護者が死亡した場合において、その者の葬祭を行う扶養義務者がないとき。
2.死者に対しその葬祭を行う扶養義務者がない場合において、その遺留した金品で、葬祭を行うに必要な費用を満たすことのできないとき。
第37条
[葬祭扶助の方法]
(1) 葬祭扶助は、金銭給付によって行なうものとする。但し、これによることができないとき、これによることが適当でないとき、その他保護の目的を達するために必要があるときは、現物給付によって行なうことができる。
(2) 葬祭扶助のための保護金品は、葬祭を行なう者に対して交付するものとする。
第76条
[遺留金品の処分]
(1) 第18条第2項の規定により葬祭扶助を行なう場合においては、保護の実施機関は、その死者の遺留の金銭及び有価証券を保護費に充て、なお足りないときは、遺留の物品を売却してその代金をこれに充てることができる。
(2) 都道府県又は市町村は、前項の費用について、その遺留の物品の上に他の債権者の先取特権に対して優先権を有する。
というような形で葬祭扶助をしてもらえますが、多少の制約があるのは否めません。ここからはもう少し突っ込んだ話に進みます。
生活保護者の葬儀の香典は?
たまに香典は没収されるような話も聞きますが、
「没収されません!」
亡くなられた際のお香典まで没収されて収入認定されてしまっては、神も仏もありません。もちろん収入認定外ですし、基本的に報告の義務はありません(収入ではないため)。しかし、葬祭扶助には香典返しの費用が入っていないため、お返しは自己負担しなければいけません。
身寄りのない方の葬儀は?
悲しいことですが、世の中には本当に身寄りがなくて亡くなられる方もいらっしゃいます。では、生活保護者で身寄りがない方が亡くなられた場合は、誰が葬儀を取り仕切ったりするのでしょう?
亡くなられた方の知人、友人、ご近所さんなどの第三者が管轄の福祉事務所に申請をすれば、葬祭扶助を受けられます。こういったケースの場合は、まず個人の遺留品が葬儀の費用に充てられますが、葬儀代全般ほどの費用を捻出するのは大変です(級地によって異なりますが、20万円前後が平均と言われています)。その足りない分を葬祭扶助で補うことができます。
本当に悲しいことなんですが、知人、友人などもおらず、どなたも申請してくれる方がいない場合は、墓地埋葬法が適用され市区町村長が執り行うことになります。