Categories: 生活保護Q&A

生活保護の学資保険、新規加入はバレる?解約しない方法・裁判判例など

生活保護の学資保険

生活保護者は積み立てにあたるような生命保険などへの加入はできません。また、保護を受ける前に入っていた生命保険に関しても、30万円以上の返戻金がある場合には解約を求められるのが普通です。では、それ以外の子どもの進学に関わる「学資保険」には加入できるのでしょうか?

「学資保険の新規加入はできません」(原則として)

新しく学資保険に加入したいと思っても、生活保護を受けている場合は原則として学資保険には入れません。小中学生の場合は「教育扶助」を受けられ、高校生になれば「生業扶助」を受けられるため、入学する準備金などが必要ないためです。また、学資保険も生活保護を受ける前に加入している場合は原則として解約を求められ、払戻金を生活費に充てるよう指示されます。また、保険加入の際には厳しい審査があり、保険会社から支払いが難しいと判断されるので、実際に加入するのは厳しいと言わざるを得ません。

「高校、大学進学はできます」

ここで挙げているのは学資保険に新規加入できないという話であって、必ずしも進学できないということではありません。詳しくは下記ページに記載している「大学進学の一時給付金」を参考にしてください。

大学進学の一時給付金について

生活保護で学資保険の新規加入はバレる?

先程記載したように学資保険の新規加入は認められていません。また、生活保護費の中から学資保険の費用も支払わなくてはいけません。しかも、支払いが月々10,000円以上が多いので、家計を圧迫するのは目に見えています。それに、高校や大学進学の費用をポンッと出したら、誰でも不正受給を疑うと思いませんか?ですので、基本的にバレると思って、加入しないのが一番ベストでしょう。しかし大学進学ができないわけではありません。詳しくは生活保護学資保険判例で。

生活保護で学資保険を解約しない例外中の例外

最後まで支払いを済ませて初めて成果が現れるのが学資保険。原則として解約ですが、いくつかの条件を満たすことで、例外的に解約しないでOKな場合があるので列挙してみます。

■学資保険を始めた段階で、解約払戻金が50万円以下(18歳満期で返還の対象とする前提で継続が認められる)。
■解約した学資保険の使い道が、同世帯に住む子どもの学費に使われる。
■学資保険の受取人が被保険者(子ども)と同居している。

ようするに、同じ世帯に住んでいる子どもの学費で、払戻金が50万円以下であれば解約しなくても良いというケースもあるようです。ただし、これも絶対ではなく、福祉事務所によって対応が異なることもあるようなので注意が必要です(半年以上生活保護を受ける可能性が高い場合は不可になることも)

生活保護学資保険の裁判の判例

上記のような説明をしましたが判例上では違法ではないという裁判所の判例がある。

平成16年3月16日の学資保険の解約返戻金を受けとった際の裁判事例では棄却とされている。内容としては毎月生活保護費から節約し月々3000円の学資保険に加入していた事例である。結局、子が進学をせず満期であったため解約返戻金50万円を受けっと所生活保護の減額をされたという事である。

(棄却された理由は?)

・保護費は最低限度の生活費とは言え必ずしも生活保護費を使い切らなければいけないわけではないためある程度の貯蓄は許されている。

・近時においては,ほとんどの者が高等学校に進学する状況であり自立のために有用な教育と考えることができる。

以上の事から資産や収入認定にはあてはまらないという判例のケースで生活保護費の減額はされなれなかった。確かに生活費を貯蓄しその後まとまった金額になった際に資産や収入認定を受け減額されたのでは生活にも精神面にも余裕ができず不安でしかない。妥当な判決ではないでしょうか。

しかし判例が絶対ではなくケースバイケースという点は注意しなければいけない。詳しくはこのようなケースも踏まえた自信の生活保護担当との話し合いは重要である。

生活扶助、生業扶助などを始めとする全7種類の扶助が生活保護費の範囲であり最低限の生活費という趣旨から本来は同法の予定するものではなく生業扶助などは高等学校費用扶助対象であるという点ではそれ以上の保険というのも疑問視する声があるのも事実である。

またこの判例は高等学校の世帯の場合であり大学に関しては判例とはまた違った見解になる可能性があります。

厚生労働省参考資料では「生活保護費を貯蓄し大学等への進学後のための金銭を貯蓄することは認められていない」という事なので注意しましょう。

しかし平成30年以降、内容によって進学準備給付金というものが創設されたました。大学進学における給付金などの見直しや今まで完全に生活も世帯分離をしなけばいけなかった以前とは異なり生活扶助は見直しや大きく変わった点もあります。詳しくは福祉担当に相談や厚生労働省のページを確認してください。進学準備給付金厚生労働省ページ

admin