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生活保護の廃止と停止の違い、条件・理由などについて

生活保護の「廃止」や「停止」などという言葉をよく耳にしますが、廃止と停止の違いとはいったいどういうことなんでしょう?今回は、生活保護の廃止、停止の違いついて分かりやすく解説します。

生活保護の廃止理由・条件

今まで生活保護費を受給していたが、色々な事柄から完全に打ち切りられるのが本当の「廃止」です。一度廃止になったからと言って生活保護の申請ができなくなる訳ではありませんが、再度申請しても以前より審査が厳しくなることが多々あるようです。では、どのようなことをしてしまうと生活保護の廃止になってしまうのでしょう?

➀ケースワーカーの指示を無視(従わない)

生活保護法では、ケースワーカーはある程度の権限を持っています。押し付けたり圧迫を与えることは違法になってしまいますが、逸脱した指示でなければある程度は従わざるをえません。例えば健康的なのに仕事を探していないと「就労しましょう」と言われますし、体が悪いのに病院に行かない場合は「ちゃんと病院に行ってください」というような指示を受けることも。この指示に絶対的な強制力は無いのですが、全く従わないのもあまり良くありません。就労に関しては仕事が決まらない場合でも、就労する努力を怠っていなければまず廃止にはならないでしょう。病院にもしっかり行って、治療をしていればまず問題はありません。
しかし、ここで口頭の指示に従わず、書面での指示にも従わないと「弁明機会の付与」を与えてもらえます。ここでしっかりとした弁明ができたり、ケースワーカーが理解に足る理由を伝えられればOKですが、これを無視してしまうと大変です!廃止への道を辿る可能性が高くなるので、ケースワーカーの指示にはきちんと従いましょう。

➁収入増による廃止

収入増による廃止には二つの理由があります。一つ目は「働いて得た収入が生活保護基準を超えた場合」です。経済的自立を促す生活保護制度ですので、働いて基準額を超えるのはとても喜ばしいことです。しかし、すぐに廃止になる訳ではなく、国民健康保険や医療費などの全てを加算した額で計算されるので、それをオーバーする収入があれば廃止となります。実際、同額程度であれば完全に廃止にはならないと思います。
二つ目は臨時収入です。なかなか無いですが、宝くじで1億円当たったとか、突然500万円入ってきた場合も、廃止になる可能性があります(笑)。福祉事務所から生活できると判断されれば、保護費の廃止もありえると思います(金額による)。

➂転居(引っ越し)による廃止

生活保護者が引っ越しをした場合は、以前住んでいた場所での生活保護は廃止になります(同じ市町村内での引っ越しの場合は変わりません)。例えば他県に移った場合は、引っ越しをした管轄の福祉事務所で新たに申請を行わなければいけません。通帳から諸々、以前に申請したものを、再度新たな場所で申請しなおさないといけないので、かなり面倒です。

➃結婚(婚姻関係)による廃止

生活保護を受けていない方(男性でも女性でも)と結婚をした場合には、生活保護は廃止されます。扶養してくれる方と結婚することで、世帯に生活保護の必要がなくなり、生活保護は廃止されます。
※生活保護の方同士の結婚だと、基本的に「結婚=同居」と考えられるため、世帯として生活保護の金額の見直しが行われます。

その他、「死亡」した場合、「失踪・行方不明」「逮捕・起訴」された場合なども廃止となります。

生活保護の停止理由・条件

では、廃止と違う「停止」はどういうことでしょう。分かりやすく解説してみます。

➀臨時的な収入

例えばの話ですが、生活保護者が宝くじで300,000円の高額当選を当てました!(高額当選は50,000円からです)。嬉しいことですが、収入というのは全てケースワーカーに申告する義務があります。で、生活保護費を月に15万いただいていたとします。30万円というと保護費2ヵ月分ですが、2ヵ月経ったら消えてしまうお金のようなものですよね?となると、2ヵ月後にはまた生活保護を受けないと生きていけない訳です。そういう場合には、一応「停止」ということにして、お金が無くなる頃に再開するようになります。

➁世帯収入の安定

仕事が決まって生活が安定してきくれば、当然生活保護の受給が必要なくなります。しかし、正社員として末永く勤務が約束されているのであれば構いませんが、一定の期間だけ働く期間工だったり、試用期間が長い職場などの場合は、先行き不透明なために停止という形を取ることもあります。新たに勤務しても業務形態によってバラツキがあったり、一定の収入が見込めないこともあります。そんな不安定な時期に「安定」「安心」「継続」して働けるように、停止という避難場所が準備されています。

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