生活保護を申請する際にはありとあらゆる資産を調べられ、資産があれば申請しても認定されません。実際にどういったことを調べられるのか、分かりやすく解説します。
まず、申請した段階で、現在住んでいる自宅に福祉事務所の調査官が訪れて、家財道具などの資産のチェックを行います。一般的な評価から見て高額と思われるような品物があれば、まずはそれを売却して生活費に充ててくださいと言われるので、下記(例)のものがあればそもそも認定にすらいきつかないかもしれません。
例:50インチくらいの超大型テレビ(インチの基準は無いようですが、せいぜい25インチくらいまでのような気がします)、ダイヤや宝石、金などの貴金属、ブランド物、自動車、バイク(125cc以上)など。
ひと昔前まではエアコンも「扇風機で済む」ということだったようですが、ここ十数年の暑さは尋常じゃないので、今では贅沢品とはみなされません。また、一般家庭での普及率が70%以上保持しているものに関しては、持っていてもOKとみなされます。ですので、パソコンやスマホなどはほぼ大丈夫だと思います(ハイグレードなものだと売却を促されるかも)。また、例で記載しているテレビに関しては、高額で売れそうな場合は生活費に充てる~ということを勧められるかもしれません。
多少の資産の保持は認められますが、銀行口座に多額の預金がある場合にはまず生活保護の認定は通りません。今ではお金の形態も様々になっており、大手銀行から地方銀行、ネットバンクなど沢山の種類があります。それをくまなく調べ上げ、生活していく上での資産がほとんど無いということであれば、認定への第一歩です。生活保護は「世帯」で調査をされるため、旦那さん、奥さん、子どもがいれば子どもの預金通帳など全て調べられます。自分の口座をカラにして、子どもの口座に多額の現金を入れるケースなどありましたが、そんなことをしてしまうと認定は受けられません。
生命保険に関してですが、こちらは解約返戻金がある場合、解約して生活費に充てるよう促されます。くれぐれも虚偽の申請はしないようにしてください。受けられるものも受けられなくなってしまいますので。
よく「持ち家(土地など)があると生活保護を受けられない」という話を聞きますが、実際持ち家でも生活保護を受けられるケースもあります。それは、その家や土地を売却しても、あまり資産の足しにならないという明確な理由があれば、認定されることもあるようです(これから先、開発などありえないような二束三文の山や土地など)。ただ、売却すれば生活費の足しになるというのが見込めるのであれば、こちらも売却を促されるというか、そもそも認定されないでしょう。
2015年に厚労省から生活保護世帯は「資産申告書」を提出してくださいという通達がありましたが、こちらは強制力や義務として行わなければいけないでしょうか?
「強制力はありません」「義務もありません」
12ヵ月に1度提出してほしいという国のお達しですが、申告書の提出を拒否しても何らかのペナルティーが与えられることもありません(減額、打ち切りなど)。また、必ず提出しなければいけない義務もないので、強制力が無いことは覚えておいたほうが良いでしょう。