生活保護には生活全般に関する生活扶助、健康に欠かせない医療を受けられる医療扶助などを始め、8種類の扶助制度が設けられています。勘違いをされる方も多いようですが、その中に失業扶助というものは含まれていません。恐らく生業扶助の間違いではないかと思います。
では、失業扶助というものはどういうものか、分かりやすく解説してみましょう。日本では1974年に失業保険から雇用保険に変わり、失業の予防、雇用の拡大などを主目的するようになりました。もし会社が倒産してしまった場合など、1年間ほど雇用保険からお金を貰えるので助かると言えば、まぁ助かります。しかし、わずか1年ほどでお金をいただけなくなってしまうので、なかなか仕事が見つからない方には非常に厳しいのが雇用保険とも言えます。年齢が若ければ仕事も早くに決まることが多いですが、40代、50代になってしまっていては、なかなか決まらないのが現状です。
ドイツ、イギリス、フランス(ほか多数)などの先進諸外国で採用されているのが失業扶助制度で、「生活保護」と「失業保険」の中間地点にあるようなものです。例えばドイツでは失職してしまっても最大18ヵ月もの期間失業扶助を受給でき、それでも仕事が決まらない場合は生活保護のような「社会扶助」をいただけるんです。とてもありがたいですよね!日本の場合は、上記したように約1年間で受給はなくなり、職が決まらなければさらに露頭に迷う不親切感が半端ない雇用保険制度がまかり通っています。これではまともに社会復帰したいと思っても、這い上がること自体がかなり厳しいと言わざるを得ません。
日本もそうなればいいのですが、他の先進国のようにならないのが日本ですからねぇ・・・。こういう面ではかなり後進国と言われているのも納得できます。これでは、益々格差社会が広がるばかりです。