生活保護、生業扶助(技能習得費など)の金額

「生業」という文字を見ると「なりわい」とも読めますし、「せいぎょう」とも読めますが、正しい読みは「せいぎょうふじょ」です。生活保護における扶助の一つで、保護者や生活困窮者の自立や収入増を手助けするための給付金です。大きく分けると生業扶助は「生業費」「技能習得費」「高等学校等就学費」「就職支度費」の4種類に分けられます。一つひとつについて分かりやすく解説します。

➀生業費
生活保護者が自立するために必要な事業資金として支給されます。全国一律で原則46,000円。特別な事情があり、許可を得られれば最大77,000円まで支給されます(特別基準)。ただし、事業が成功するかどうかは未知数で誰にも分かりません。生業費という名目で福祉事務所を納得させるに足る理由があれば資金をいただけるケースもありますが、余程のプランを立てていないと難しいでしょう。

➁技能習得費
就職するには何かスキル(技能)があったほうが有利ですよね?そういった必要な資格や技能を習得させてくれる費用を支給してもらえます。1つの資格につき80,000円支給されますが、よんどころない事情がある場合は133,000円支給されます。また、資格取得の期間が2年かかる場合でも1年ごとに支給されるのがありがたい。万が一資格取得に3年かかる場合は自己負担になりますので、注意が必要です。

➂高等学校等就学費
ひと昔前までは中学卒業も多かったですが、今では高校を卒業する人はかなり多いのが現状。高校を卒業していると就職にも多少有利なため、ケースワーカーも進学を勧めることが多くなっているようです。高等学校等就学費は授業料や交通費を始め、教材費、PTA会費、学習支援費など高校生活に不可欠な費用を支給してくれます。

➃就職支度費
さて、いよいよ就職が決まりました!嬉しいことですが、そのためのスーツや靴など、費用は結構かかってしまいますよね。「就職が決まったのにお金が足りない!」と困った時に支給されるのが就職支度費です。支給される金額は最大29,000円。初任給がもらえるまでの通勤費なども支給してもらえるので、とても助かります(原則として現金支給)。

生活保護、生業扶助の高校生

基本的に生活保護世帯の高校生がアルバイトをする場合は、収入として申請しなければいけません。せっかく一生懸命アルバイトをしてもそれまで収入認定されてしまうのは悲しくなります。しかし、全てにおいて収入される訳ではないんです。高等学校の就学費の対象にならない経費で、修学のために必要な額と認められれば収入とは認められません。でも、収入の報告はきちんとしなければいけないので、申告だけは忘れないでください。

生活保護、生業扶助で運転免許は?

ご存知の方も多いと思いますが、原則として保護を受けている方は自動車の所持は不可です。しかし、「就職先で運転免許を取得しなければいけない」ということになっている場合は、上限金額380,000円まで支給してもらうことができます。これは自動車教習所に通う交通費から、受験料全般まで手厚くサポートしてもらえます。ただし、このハードルは高く金額もかなり高額なため、「就労するために必ず必要」というお墨付きが要ります。

この高いハードルをクリアーしても免許の取得ができればいいのですが、約束を守れなかった場合は不正受給とみなされ返還しなければいけないこともあります。

➀免許が取れなかった場合。
➁約束していたのに就職しなかった場合。
➂就職はしたけれど、すぐに辞めてしまった。

このようなことが起きてしまった場合は、返還しなければいけないので注意が必要です。しかし、この段階で生活保護から抜け出していれば問題ありません。

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